(Part1 からの続き)
S氏から預かった時は、決して
良い状態を保っているとは言えま
せんでした。
初診では・・・
① トーンポッドのシャフト折損
② ナットの欠損
③ ペグ固定ネジの欠落
④ ペグブッシュのガタツキ
⑤ ネックの順反り
⑥ ブリッジ駒の固着
⑦ フレットなど金属パーツのサビ
⑧ 全体的な汚れ
はい、やる事盛り沢山でございます。
まずは折損したトーンポッドの交換です。
このシャフトってSUS鋳物製なんですかねぇ?
こいつが折れちゃうと、ポッドごと新品に
しなければならないので面倒なんです。
今回は CTS 250kΩ Aカーブに交換しました。
続いて 1弦側が欠けてしまった
ナットの作成です。既製品の
リプレイスメントパーツがあるのですが
微妙に合わないので、既設の
ナットに欠損部分をボンドで接着して
から、急きょ購入したムクのタスク製ナット
に型を転写して、一から削り出しをしました。
専用のナット組ヤスリで弦溝を掘って完成。
ペグは一つづつ取り外して、研磨と
手入れをしました。欠落した固定ネジは
在庫から対応。 またブッシュのガタツキは
ロックタイトで完全接着という方法もあるの
ですが、後々の事を考慮して手製の木工パテで
固定する事としました。
ブリッジも取り外して、手入れ・錆落としをし
駒も問題なく動作するようになりました。
フレット、その他の金属パーツの研磨
手入れ、指板の清掃、ボディおよびネックの
清掃、アウトプットジャックへの接点復活剤塗布
トラスロッドの調整(反り修繕)
オクターブピッチ調整にて、全工程完了です。
はい・・・いかがでしたでしょうか?
相も変わらず、一部の方にしか
ウケないような内容で大変申し訳
ありませんでした(汗)
皆さんも、大切な楽器は定期的に
メンテナンスをして下さいね。
では、今回はこのへんで。